
ゆっくりと土の上に舞い落ちた雪が静かに溶けて、地面の色を濃く変える。
冷え冷えとした空気の中で吐く息は白く瞬く間に溶け消えて白さを失う。
冷たさだけを残して、白さは何処へ行くのだろう。雪はとても儚い。
ちらりと彼を横目で見ると、雪の為か彼の白い肌が一層白く見えて総体がぼやけて見えた。
淡い色で縁取られた輪郭が、そのまま空気に溶けてしまいそうで私はとても不安になった。
彼が雪のように溶け消えてしまいそうな気持ちがしたので、私は彼の頬にそっと触れてみた。
緩やかな弧を描く頬をそっと包み込むと、確かに感じられる柔らかな感触に私は安堵した。
冷たくなった頬を暖めるようにさすると彼は不思議そうな表情を浮かべて彼も同じように私の頬に触れた。
「貴様は暖かいな」
彼のその一言で私は溶けてしまいそうな程の猛烈な熱に襲われた。
冷えてしまった貴方を私の熱で溶かしてしまえるのなら、それでも良いのかもしれない。
いっそ、貴方と2人で溶けてしまいましょうか。
aoto.
06/04/23/

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