1.
悪夢にさらわれ落ちていく
2.
「天地創造」
紙の上に真っ直ぐ線を引くと空間が生まれる。
天が出来て地が生まれ、逆さにすると立場は逆転する。
つまり、切っ掛けさえあればどちらにもなりうると言うことだ。
3.
「信じる信じないは君の自由だが、『自由』になりたければ信じた方がいい」
何かを崇めろと言うのか。
しかし彼の言葉には絶大な重みがあり、かくも私の心を不安にさせる。
彼は、私を自由でないと決めつけたのだ。
4.
ひたむきな真実、虚構のメロディー、果てしなき暴挙。
廃墟はとても乾燥している。
声は枯れてしまった。響きすらもしない。
5.
引き返せないと思ったら突き進むしかないのだろうか。
立ち止まって考えた。肌で感じた冷たい空気の流れの先へと進む。
何処かに繋がる出口がきっとある筈だ。
信じる事から全てが始まる。
信じる事で絶望を知る。
6.
醜い世界だと思っているのなら間違っていると思うが。
お前が思う程じゃない。
だからと言って俺がが思う程でもない。
とても曖昧なんだ。
シンは眉をしかめてそう語りかけるレイを酷く冷たい瞳で睨みつけた。
もう騙されない。もうこの手から逃れられない事も、全てが偽りだと言う事も知っているんだ何もかも。
変えてやる、壊してやるこんな世界は!
7.
何故だか急に悲しくなった。涙が流れてしまいそうだった。体中に震えが走った。
違う。震えているのは世界だった。
轟く雷鳴。
8.
相対的な真実、絶対的な理念と秩序の根元を探る。
足下に落ちた陽の光と、陰との境に出来る絶妙な色調を見つめる。
沢山の蟻が紫色の蝶を囲んで、懸命に巣穴へ向かって運んでいたので足で踏んで潰してみせた。
あらゆる状況を覆すのは力だ。
9.
運命より先に行く事が出来るのならば
光を見ることはできないね
凄い速さで駆け抜けた深きを巡る思慮の森
10.
どうしようもない世界に生きる彼らはどうしようもない。
可哀想に。酷く惨めで哀れだ。
10.
今を信じると言うことは未来を信じると言うことだ。
未来なんて信じない方がいい。
未来を信じると痛い目をみる。
11.
「言動を慎め。それから、行動には責任を持てよ」
「分かってます」
12.
後ろから大きな音が聞こえてきた。
何かが弾けた音だ。まるで爆発するような…。
君は音の原因を気にしていたけれど、振り向く事はしなかった。
「知ってしまうのが怖いんだ」
13.
かたくなに握りしめてあなたはそれを離そうとはしない。
ちぎれてしまわないように手の平で包み込んで
必死で守ろうとするのだけど、とっくに糸は切れてしまった。
14.
透明なあなたの心はガラス玉。
光に透けてきらきら光ってとってもきれい。
そっと指先で触れてみると、光がこぼれて落ちた。
びっくりして手を離すと光は地面に落ちて、
ぱっと足下に広がって私の体を包み込む。
とても暖かくて、いい香りがする。
「さあ行こう」
私を連れて何処に行くの?
あなたと私は何処へ行くの?
「暖かくてやさしい世界にさ」
もう知ってる。
あなたが私の暖かくてやさしい世界なの。
15.
もう遅いと口にした君は虚ろな目をしていた。
どうしてそう思ってしまったのだろう?
早く気付けば良いものを、ずっと見逃していたのだろう。
そう僻むなよ、誰のせいでもないさ。
16.
「一縷の願い」
全てを投げ出すなんて馬鹿な真似はよせ。
誰に祈るんだ。お前をこんな世界に産み落とした神様に願うのか?
もういい、もういいんだ。全て忘れてしまえばいい。
無責任な言葉はもう言わない。背中を押した俺が悪かった。
頼むからそんな瞳をするな。
濡れた轟音が浚うような波となり、一斉に押し寄せた。
縋るものさえ見当たらない。
助けを請い、濁流に呑み込まれていく貴方の姿をただ眺めているだけ。
17.
透明な形跡を辿るその指先の冷たさを十分に理解しているつもりだった、筈だった。
18.
海底に落ちた涙がつくる静かな波紋と沸き上がる憎悪。
19.
天井が落ちてきて何かが潰れる音がした。
果てしないものになりたいと願った顛末。
つまり、原点に戻るという事だった。
20.
「赤い瞳の少年」
少年の瞳は赤い。
その瞳を通してみると、不思議な事に世界に点在する全ての赤さが
瞳の赤さと混じり合って溶けてしまう。
たとえば戦場で流れる血の色。
彼の瞳は流れ落ちる鮮血の、鋭い色彩を認識する事ができない。
苦痛に藻掻く姿と叫び狂う人間の、醜くおぞましい表情だけが網膜に焼き付いて強い印象となって残る。
とめどなく吹き出るぬめった液体と鼻をつく腐臭。
惨憺たる光景!悲痛な呻き声に耳を強く塞ぐ。
辺りを見回すと手や足が、以前は体の一部であったものたちが別離し、
一種の肉片、ある種の個体となって足下に転がっている。
不自然に折れた頸と窪んだ眼窩。人為的に、故意に切り取られた切り口。傷口にたかり、蠢く生物…。
激しい焦燥!何故自分はここに立っているのか。
早く立ち去らなければいけない。逃げ出さなければならないと歩を無意識のうちに一つ後退させた。
すると何らかの力に吹き飛ばされたであろう「ちぎれた腕」を足が踏んでしまった。
柔らかく生々しい肉の弾力。体中の毛穴がざわめいて開いた。刺すような寒気が走る。
直接肌で触れた訳ではないのでわからないが、あの腕は暖かいのだろう。
計り知れない恐怖と耐えがたい不快感が彼を襲う。
喉の奥から込み上げる力は思いのほかに強かった。
21.
赤い色が鋭く貫く孤独の叫び。
彼は全てを失った訳ではなかった。
失う度に手に入れて、手に入れる度に失うのだ。
継続的に断ち切られる希望。もぎ取られる両の羽。
誰にもあなたを救う事など出来はしない。
aoto.
2006/10/20-2006/10/31
20-21のみ加筆修正2006/11/03
sorry. It finally completed it.
Future next time?

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