
皮膚の表面をしとやかになぞる指先に身肌がよだつ。
体の内側から沸きたつ熱い感覚に捕らわれて、頭の中がぼうっとする。
肌と言う隔たりをもって感じる体温と湿度に惑わされ、私は為されるままに体を委ねた。
肌の表面が泡立つ感覚と、私の神経を脅かす彼の与える刺激の波がが私を震わせ、狂わせる。
痺れる体に彼の透明な汗の玉が滴り落ちて、その些細な感触さえも私を苛む。
閉じていた瞳を静かに開き、彼の顔を見上げると眼差しに灯る淡い色が見えた。
薄明かりの中で平行する視線が行き止まり、私を見下ろす熱っぽい微笑みがぼんやりと浮かぶ。
その表情がとても恥ずかしいものであったので、視界を遮ろうと再び瞳を固く閉じた途端、
私の首筋に柔らかい彼の唇が静かに触れた。幾度か重ねた筈の唇が新鮮味をもって私を魅了する。
平衡を保って存在する温度、融点の一致。溶け込む湿度と揮発する熱が巡りに巡る。
彼が与えるささやかな刺激は私の肌の上では大きく弾けてしまうので、自然と触れられるその一点に意識が集中してしまう。
微細な動きが優しさで満ちていて、私を乱す激しい強さを持っている。
神経を引き裂いてざわめいて波打つ不思議な心地よさが私を引き寄せ、虜にする。
肌をすべる唇の暖かい感触が体の上で散らばって、私を柔らかく包み込む。
こんなにも優しく私に触れる彼が愛おしくて仕方がなかった。
私は彼だけを見つめ、彼を思い、彼の行為に夢中になった。
やがて私の体に侵入してきた指先がある一点を探して彷徨う。
深い所へ迷い込んだかと思うと、一気に外に掻き出すように内壁を擦る。
外側から流れ込んでくる冷たい空気と、内側から溢れ出る熱の温度差が一段と刺激になって押し寄せた。
私は空気を掴むように藻掻いて、全身をもって意思を示した。彼の指先が私の奥底にある箇所を見いだして、
そこを押さえ込まれると彼の動きが引き起こす快楽が私を支配する。
ひたすらに私を束縛する。膨れあがる思いが成す形。
彼から伝わる脈打つ鼓動が凄い早さで増していき、耳元でそっと囁かれた魅惑の音階。
その声に頷くと、私は彼の背中に両腕を回して強い力で引き寄せ、抱きしめた。
貴方と繋がる対象であるべき瞬間、この世でひとり貴方を独占した気持ちになる。
そして私の体に襲いかかる追撃。
突き抜けていく貴方の全てに酔いしれる。
aoto.
I want to deprive you of all.
06/03/28

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